事件の概要
新型コロナウイルスの影響を受けた事業者などを対象に国から支給される「持続化給付金」を不正に受給する事件が全国で相次いでいます。
今年7月に埼玉県在住の男子大学生が個人事業者であると装い、虚偽の申請を行って給付金を受給したとして全国で初めて逮捕されましたが、その後も同様の事件による逮捕者が増えています。
この不正受給を組織的に行っているグループもあり、そのグループはSNSを使用して不正受給の方法を大学生などに伝えて申請を行わせ、その見返りとして受給した給付金の一部を得ているようです。
持続化給付金の不正受給の内容
持続化給付金とは、新型コロナウイルスの感染拡大により売上げが減少した個人事業主や会社を対象として、国から支給される給付金です。給付金の上限は、法人(会社)の場合は200万円、個人の場合は100万円となっています。
持続化給付金の不正受給とは、本来は給付金を受給できないにもかかわらず、虚偽の申請をして給付金を得ることです。具体的には、売上げが下がっていないのに下がったとして申請するケースや、そもそも事業(商売)をしていないのに、以前から事業を行っていたとして申請をするケースです。
問われる罪
持続化給付金の不正受給で問われるのは詐欺罪です。
詐欺罪は、人を騙してお金や物を得る犯罪です。上述したように、持続化給付金の不正受給は、本来は給付金を受給できないにもかかわらず、虚偽の申請をして給付金を得るものなので、詐欺罪に該当します(詐欺罪の詳しい説明はこちら)
詐欺罪の刑罰は10年以下の懲役と規定されています。罰金刑がないため、起訴された場合には正式裁判となります。
対処方法
持続化給付金を不正受給したことが警察などの捜査機関に知られる前であれば自首をお勧めします。
自首とは、犯罪を犯した者がその犯罪が捜査機関に発覚する前に、自らの意思でその事実を捜査機関に申告し、処罰を求めることをいいます(自首の詳しい説明はこちら)
自首の法律上の効果として、刑が減刑される可能性があります。また、自首をしたことにより、逃亡や証拠隠滅のおそれがないとして、逮捕などの身体拘束を避けられる可能性が高まります。
既に容疑をかけられており、警察から事情聴取を受けている場合には、不正受給した持続化給付金を早期に返還すれば、逮捕や起訴の可能性を低くすることができます。
当事務所の弁護方針
当事務所では、弁護士が自首に同行することが可能です。一緒に同行することによって、弁護士から警察に事情を説明し、スムーズな自首が可能となります。
自首をするべきかお悩みの方は、是非当事務所にご相談下さい。
江畑 博之
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