覚せい剤

1 覚せい剤に関する犯罪とは

覚せい剤(フエニルアミノプロパン,フエニルメチルアミノプロパン,及びその塩類やこれらを含有するもの等)は、所持や使用の他、譲渡し・譲受け、輸入・輸出、製造が犯罪となります。

2 覚せい剤の所持等で問われる罪

覚せい剤の所持等については、覚せい剤取締法によって規制されています。以下、個別に解説していきます。

①所持について
自分で使用するためなど、営利目的ではない覚せい剤の所持の場合の法定刑は10年以下の懲役と規定されています。
営利目的の所持の場合の法定刑は、1年以上20年以下の懲役と規定されています。また、情状によっては、懲役刑の他、500万円以下の罰金刑にも処せられる可能性があります。

②使用について
10年以下の懲役と規定されています。
なお、覚せい剤の所持と使用は別個の罪であるため、2つの罪が成立し、両方の罪で起訴されることが多いです。その場合には「併合罪」として処理され、重い罪について定めた刑の長期にその半分を加えたものが懲役刑の長期刑となります。つまり、15年以下の懲役刑まで下すことが可能となります。

③譲渡し、譲受けについて

営利目的ではない覚せい剤の譲渡し、譲受けの法定刑は10年以下の懲役と規定されています。
営利目的の譲渡し、譲受けの場合の法定刑は、1年以上20年以下の懲役と規定されています。また、情状によっては、懲役刑の他、500万円以下の罰金刑にも処せられる可能性があります。

④輸入・輸出、製造について
営利目的ではない覚せい剤の輸入・輸出、製造の法定刑は1年以上20年以下の懲役と記載されています。
営利目的の輸入・輸出、製造の場合の法定刑は、3年以上20年以下の懲役と規定されています。また、情状によっては、懲役刑の他、1000万円以下の罰金刑にも処せられる可能性があります。

3 弁護活動

覚せい剤に関する犯罪で件数がもっとも多いのは、所持と使用です。
所持と使用の罪で逮捕に至るのは、尿から覚せい剤が検出されたり、身体検査や家宅捜索により衣服や部屋から覚せい剤が発見されている場合がほとんどです。つまり、警察などの捜査機関が犯罪を裏付ける証拠をすでに入手しており、客観的な証拠があるため、弁解の余地がないことが多いです。

所持の場合、押収された薬物の量が極めて微量であれば、不起訴になるケースがありますが、ほとんどの場合では起訴されます。使用の場合には、ほぼ間違いなく起訴されます。
勾留された状態で起訴されてしまった場合には、まずは保釈を請求して、釈放に向けた活動を行います。その際には、罪を認めて反省・謝罪していることや、身元を引き受けてくれる人(家族など)の確保が重要となります。

裁判では、執行猶予付き判決の獲得や量刑の減軽を目指して活動することになります。覚せい剤を含む薬物事犯は、被害者がいない犯罪であるため、示談を行うことはできません。執行猶予付き判決や量刑の減刑を目指すためには、本人が反省していることに加えて、再び薬物を使用しないように環境を整えた上で、裁判所にいかに伝えるかが重要になってきます。そのため、覚せい剤と関わりのある人物との関係を断つ、家族などの監督者の存在、薬物の治療・更生プログラムに参加や施設に入所などを検討した上で、裁判所に主張・立証することが重要となります。

覚せい剤などの所持や使用を認めない場合には、まずはその理由を確認することが重要になります。例えば、「覚せい剤だとは思っていなかった。」という主張(故意を否定する主張)をする場合には、覚せい剤だとは認識できなかったことを表す証拠を収集していくことになります。
また、警察が行った覚せい剤や尿の採取過程などに違法性があるケースもあります。仮に警察が行った手続きにおいて重大な違法が認められる場合には、尿の鑑定結果などの重要な証拠が裁判で証拠として認められなくなる可能性があります。弁護士は、このような捜査手続に問題があった場合には、その点を検察官,裁判官に主張していき、不起訴処分や無罪判決を目指していきます。

当事務所では、それぞれの事案に即して、必要な弁護活動を行いますので、まずは弁護士に相談してください。

4 当事務所の解決事例

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江畑 博之

新潟大学工学部卒 東北大学法科大学院修了 最高裁判所司法研修所修了後,弁護士登録

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