1 新潟県の犯罪発生件数と検挙率
新潟県警と政府の発表によれば、新潟県内で警察が発生を認知した事件数(認知件数)、実際に検挙された件数(検挙件数)、認知件数のうち検挙された件数の割合(検挙率)は、以下のとおりとなっています(※1)(※2)。
年 認知件数 検挙件数 検挙率
平成28年 1万4149件 6154件 43.4%
平成29年 1万2757件 6034件 47.3%
平成30年 1万1137件 5527件 49.6%
令和 元年 1万0743件 5615件 52.3%
令和 2年 8561件 4977件 58.1%
ここ数年では、年々、犯罪の認知件数が減少し、それに対して検挙率が上がっている傾向であることが見て取れます。
令和2年の1年間を見てみると、合計8561件の犯罪発生が認知され、そのうち4977件が検挙されています。つまり、新潟県内では、検挙率が約58%ということになり、全国の検挙率が約45%であることと比較して、高い検挙率となっています。
過去数年の検挙率を見れば、全国と比較して、新潟で発生した犯罪は検挙されやすいという傾向にあり、これは、新潟の警察が優秀だということの現れかもしれません。
2 新潟県内での犯罪数・犯罪率
⑴ 犯罪件数
新潟県警の発表によれば、令和2年の1年間で犯罪の認知件数が多かった市区町村のワースト5は、以下のとおりでした(※3)。
1 新潟市 3628件
2 長岡市 929件
3 上越市 670件
4 新発田市 395件
5 三条市 342件
この数字を見ると、やはり人口が多い市街地で犯罪の発生件数が多いことが分かります。
⑵ 犯罪率
一定期間に発生した犯罪件数を単位人口で割った数字を「犯罪率」といい、犯罪の発生しやすさを比較する指標となります。
新潟県警の発表によれば、令和2年の新潟県全体の犯罪率は、人口1000人あたり3.8ですが、新潟県内の市町村別に犯罪率を見てみると、ワースト5は以下のとおりでした(※4)。
1 湯沢町 7.5
2 新潟市 4.5
3 妙高市 4.4
4 聖籠町 4.3
5 新発田市 4.1
市街地の新潟市で犯罪率が高いのは予想通りでしたが、意外にも湯沢町の犯罪率が高いという結果になりました。
3 新潟県で発生した犯罪の種類
新潟県警の発表によれば、令和2年に新潟県内で認知された犯罪8561件の内訳は、以下のとおりです(※5)。
認知件数 割合 全国平均
窃盗犯(万引き・自転車盗等) 5601件(65.4%)(67.9%)
粗暴犯(暴行・傷害・恐喝等) 788件( 9.2%)( 8.4%)
知能犯(詐欺・横領・偽造等) 540件( 6.3%)( 5.5%)
風俗犯(賭博・強制わいせつ等) 92件( 1.0%)( 1.2%)
凶悪犯(殺人・強盗・放火当) 60件( 0.7%)( 0.7%)
その他 1480件(17.2%)(16.0%)
犯罪の認知件数のうち、約7割弱が窃盗犯であり、次に粗暴犯、知能犯といった順番となっています。この割合は、全国平均とほぼ同じ割合であり(※1)、新潟の犯罪傾向が特に全国の犯罪傾向と異なる傾向にあるわけではないということが分かります。
4 まとめ
以上のとおり、新潟の犯罪発生件数や検挙率等について調べてみました。
新潟県の犯罪は、全国と比較して、やや犯罪の検挙率が高いという傾向が見られました。また、新潟県内で犯罪件数が多いのは、新潟市、長岡市といった市街地だということも分かりました。
ここ数年では犯罪件数が年々減少しているとはいえ、犯罪の加害者となってしまったり、家族が犯罪に関与してしまうということは誰の身にも起こり得る事態です。
ご家族が刑事事件の加害者となってしまったり、ご家族が逮捕されてしまい、弁護士への相談をご希望の場合には、当事務所にご相談ください。
参考
※1 政府統計の総合窓口「犯罪統計」「令和2年1月~12月犯罪統計」
※2 新潟県警察HP「市町村別犯罪発生状況」
※3 新潟県警察HP「市町村別犯罪発生状況」「市町村別犯罪発生状況一覧表」
※4 新潟県警察HP「市町村別犯罪発生状況」「犯罪率」
※5 新潟県警察HP「新潟県内における刑法犯認知件数」
江畑 博之
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