少年事件における弁護士の役割

1 早期の身柄解放

少年が逮捕・勾留された後、観護措置決定が下されると、最大で1か月半程度もの期間、身体拘束が続くことになります。
その間は、学校にも仕事にも行けなくなるため、退学や退職を余儀なくされ、少年にとっての不利益が大きくなります。

そこで、弁護士が依頼を受けた場合には、少年が早期に身柄を解放されるように活動します。

勾留前の段階においては、少年の逃亡や証拠隠滅のおそれがないこと、長期拘束されることによる少年の不利益の大きさ等を検察官や裁判所に示して、勾留されないように働きかけます。
勾留決定が下された場合であっても、家庭裁判所に送致される段階になった際には、弁護士が事前に裁判所に意見書を提出する等して、観護措置をとらないような働きかけを行います。

2 処分を軽くするための活動

取り調べに対する助言
突然逮捕されて動揺している方にとって、取り調べで自身の記憶に従ってしっかりと供述ができるとは限りません。
特に少年は、知識や経験が乏しいため、取調べを担当した警察官、検察官に対して自分の主張を明確に伝えることができないばかりか、警察官などの意見をそのまま受け入れる傾向があります。その結果、事実ではないことが記載されている調書が作成されるおそれもあります。
そこで、逮捕された直後に弁護士が面会(接見)し、被疑者の権利や取調べでの対応、今後の流れを説明することで、不当な刑罰が科されること等を防止できることがあるのです。

被害弁償・示談
少年が起こした犯罪行為について被害者がいる場合、被害者との間で示談や被害弁償を行うことで、最終的な処分が軽くなる可能性があります。
しかし、被害者は、示談や被害弁償に応じる意思はあっても、少年本人やその家族に会ったり、連絡を取ることを拒否することも少なくありません。また、当事者同士で直接やり取りをすると、かえって被害者の処罰感情が増大するおそれもあります。
以上のような理由から、被害者との示談・被害弁償を行うにあたっては、弁護士が間に入って被害者と交渉した方がスムーズに進むことが多いため、弁護士が被害者と示談・被害弁償を行うための交渉を行います。

裁判所への対応
審判が行われる前に裁判所の調査官と面談し、弁護士が少年にとって有利な事情を報告します。また、少年の更生にとって必要なこと等について調査官と意見交換を行い、良い処分が下されるように、審判までに準備を進めます。

審判前には、裁判所に対し、被害者との示談状況、少年本人の反省状況などを、証拠を示した上で主張して、処分についての意見書を提出します。

3 少年の環境を調整するための活動

ご家族との話合い
少年が非行事実(犯罪事実など)を認める場合には、非行事実を起こした原因は何だったのか、今後少年が非行を行わないためにはどうすれば良いかなどをご家族と弁護士が一緒に考えます。

勤務先や学校への対応
警察などが、少年が非行を行ったことについて、少年の勤務先や学校に連絡をしている場合は、弁護士の方で勤務先などに連絡して事情を説明し、できる限り穏便な対応をお願いします。

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