新型コロナウイルスに便乗した詐欺にご注意を! 弁護士 江畑博之

新型コロナウイルスに便乗した詐欺被害が全国各地で発生しています。

警察庁の発表によれば、令和2年3月上旬から4月27日までの期間で判明しているもので、13都道府県で計32件、被害額は計3117万円に上るとのことです。

警察などによれば、以下のような新型コロナの被害が確認されています。

 

■飲食店経営者宛てに「緊急特別貸付のご案内」とする資料をファクスで送信した後、電話で「緊急特別融資をします」と持ちかけ、融資の保証金として約43万円を振り込ませた。

■公益団体職員を名乗って住宅を訪ね、「このあたりでコロナウイルス患者が出たので調べている」等と言い、検査費名目で現金をだまし取ろうとした。

■兄を名乗る者から「新型コロナ関係の仕事をしていて大事な書類をなくした。信頼できる男を行かせるからお金を渡してほしい」などと電話があり、これに騙された70代女性が現金をだまし取られた。

■会社経営者を装った者が「コロナで会社が苦しくなり、従業員のため金が必要」などと嘘を述べ、知人から現金をだまし取った。

■マスク販売をうたうサイトで申し込み、代金を振り込んだが商品が届かなかった(被害金額は1件あたり数千円~数万円)。

 

また、新型コロナウイルスの特別定額給付金(一人当たり10万円の給付金)に関する不審な電話、メールも増えてきています。

具体的には、「10万円の給付金の関係で調査している」「給付金の受取手続きを代行する」などと言い、自宅にある現金やキャッシュカードを預かったり、預金の口座情報や暗証番号を教えるように求めてくるそうです。

特別定額給付金の手続きに関して、市町村や銀行の職員が現金・キャッシュカードを預かったり、個人情報を聞き出すことは絶対にないので、そのような電話・メールが来たら詐欺だと疑い、対応しないで下さい。

また、同じく市町村などが、ATM の操作を依頼したり、給付金を受給するための手数料の振込を求めたり、メールの文中にあるURLをクリックさせて申請手続きを求めたりすることも絶対にないので、そのような誘いを受けても絶対に応じないようにしてください。

 

詐欺は犯罪であり、警察に被害届を提出して犯人の処罰を求めることは可能です。

しかし、犯人が逮捕されるかどうかは分かりません。仮に逮捕されたとしても、だまし取られたお金は既に共犯者の手に渡っていることもあります。だまし取られたお金が戻ってくるのはほとんど期待できないというのが実情です。

少しでも「怪しいな」と思ったら一人で判断して動かず、家族や友人、警察、消費生活センターなどに相談するようにしましょう。

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江畑 博之

江畑 博之

新潟大学工学部卒 東北大学法科大学院修了 最高裁判所司法研修所修了後、弁護士登録

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