依頼者は、関東地方に在住でしたが、偽造された免許証を使用して、契約した携帯電話を受け取るという闇バイトに関与し、新潟県内で多数の携帯電話をだまし取る行為に関与してしまいました。
偽造された免許証を使用する行為は、「偽造有印公文書行使」という犯罪に該当し、法定刑が、1年以上10年以下という重い罪です。また、本件は、組織的犯罪という側面もあり、厳しい刑が予想される事案でした。
当事務所の対応
本件は組織的犯行であり、依頼者は、あくまでも指示役から指示されるがままに動かされていたのが実態でした。そこで、弁護士から依頼者に対しては、全てありのままを説明して捜査に協力するようにとアドバイスしました。
また、公判では、依頼者が闇バイトに関わることになってしまった経緯や、一度闇バイトに関わってしまったが最後、自分の意思で辞めることができなかった事情に加え、結局報酬を一円ももらえなかった事情など、依頼者が果たした役割が、組織的犯罪のごく末端の役割であることなどを主張しました。
さらに、以前の雇用主が、再度依頼者を雇ってくれると約束してくれていることや、母親に情状証人として出廷してもらうなど、情状弁護に勤めました。
その結果、依頼者に対しては、執行猶予判決が下されました。
担当弁護士の所感
世間でも騒がれている、いわゆる闇バイトは、あたかも楽に多額のお金を稼げるという誘い文句で勧誘するのが常套手段であり、それによって、多くの方が軽い気持ちで関与してしまいがちです。
しかし、実際は、約束していた報酬がもらえず、辞めようとしても組織から脅されて辞めることも出来ず、結局、捕まるまでこき使われる使い捨ての駒のような扱いを受けてしまうのが一般的です。また、組織的犯罪への関与は、昨今、非常に重い処罰になりがちで、初犯でも執行猶予がつかずに実刑となり、刑務所に行かなければならないことも多くあります。
もし、ご自身や家族が闇バイトに関与して逮捕・勾留されてしまった場合には、刑事弁護に精通した弁護士に依頼することをお勧めいたします。(弁護士 江幡 賢)
掲載日:2024年3月14日
江畑 博之
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